「はじめて精神科に通ってみようと思うが…どんな病院を選んでよいかわからない」
「精神科に通っているが、本当にこのクリニックで大丈夫?」

心を病んでいるうえに、病院選びに迷うことは大変ですよね
そこで、この記事では精神科歴15年・転院4回を経験した筆者だからわかる精神科のクリニックを選ぶ上での注意点を紹介します。
この記事を読めば、下記のようなことがわかります。
- 初診で精神科を選ぶ方法
- 精神科に通い始めてから注意すべき病院
ぜひ、チェックしてくださいね。
初診でみる精神科医の選び方

精神科を受診するのは勇気もいるので、病院選びで失敗して嫌な思いはしたくはいですよね。
そのような失敗をしないためには、ここでは下記の2つ情報に加えて、注意点を紹介しています。
- 精神科の経験のない医師もいるので、経歴のチェックが必要
- 口コミをチェックしてから選ぶ
- カウンセリングの先生が在籍しているか?
- (注意)初診は前もって予約が必要な場合がある
筆者の経験談でもあるので、参考になると思います。ぜひ、チェックしてみて下さいね。
経歴のチェックは必須!精神科の経験がない医師もいる

心療内科・精神科を受診する前に先生の経歴をしっかり調べておくことは実は重要です。
なぜなら、心療内科は医師免除さえあれば開業ができるため、精神疾患の知識も経験もない他の専門の医師が診察している心療内科が存在するからです。
下記はマネーフォワード クラウド トップさんの精神科開業に関する必要条件について、一部抜粋させていただいた内容です。

下記の内容から、入院施設がないクリニックなら医師資格があれば、クリニックが開業できることがわかりますね。
医師免許が必須です。精神保健指定医の資格は、特定の医療行為(措置入院の判断など)には必要ですが、外来診療中心の無床クリニック開業には必ずしも必須ではありません。
(引用元:https://biz.moneyforward.com/establish/basic/75663/#i-7)
※精神保健指定医について知りたい方はこちら
筆者が最初にお世話になった病院の医師も内科医出身でした。
そのたために、おこった内容は下記のとおりです。
・質問しても、他の話に切り替えて病気の説明をしっかり話してくれない
・依存性の強いお薬を平気で多く処方する
(筆者が多く処方されていたのがエチゾラムという薬)
せっかく、病院にいってもきちんとした治療を受けられなければ無駄ところか、マイナスにもなりかねることが上記の情報で理解していただけたのではないでしょうか?
まずは、精神科の先生がきちんと専門分野の知識をもった先生なのか、病院のホームページ等から調べておくことが大切です。
カウンセリングの先生が在籍しているか?
精神科のクリニックの中には臨床心理士や公認心理師が在籍しているところもあります。
薬の調整だけでなく気持ちの整理や生活面の相談もできるので「薬だけでなく話も聞いてほしい」という方には特におすすめです。

また病院によってはカウンセリングが健康保険の対象になる場合もあります。
たとえば主治医の指示のもとで心理士が行う「心理療法」などは医療保険が適用されることがあります。
一方で自費扱いの「自由カウンセリング」のみ行っている病院もありますので初回予約の際に「保険診療か自費か」を確認しておくと安心です。
カウンセリングが受けられるクリニックのメリット
- 薬の調整だけでなく気持ちの整理やストレス対処法を学べる
- 患者と医師の間を心理士がサポートしてくれるため相談しやすい
- 長期的に回復の過程を見守ってもらえる
- 医師よりも時間をかけて話を聞いてもらえる
注意したい点・デメリット
- 自費のカウンセリングは1回5,000〜8,000円程度かかることがある
- 医師と心理士で方針が異なる場合は混乱することもある
- カウンセラーとの相性が合わないと効果を感じにくい
- 保険適用かどうかが病院によって異なるため事前確認が必要
口コミから病院の雰囲気が想定できる

もちろん、同じ精神疾患であってもかかる方も性格や症状も違います。
ですので、口コミを見ればすべてがわかるというわけではありません。それでも、下記の理由から実際に病院にいって診察をうけた方の口コミは参考になると思います。
- どういう対応を受けて嫌だったか、うれしかったか率直な意見がわかる
- 受付スタッフや医師の雰囲気が想像しやすい
- 病院の問題点に気がつける場合もある
口コミの探し方が分からない方は、Googleマップの口コミ機能などを使ってみるのも便利ですよ。
Googleマップの使い方
①「地域名 精神科病院」と検索窓に入力してタップ→②各病院ごとの口コミをチェックする
追記:初診予約はすぐに取れない場合があり

調子が悪く「今すぐに精神科でみてもらいたい!」
そんな差し迫った状態で精神科の病院を探されている方も多いと思います。しかし、残念ながらほとんどの精神科の病院が当日に行って診療が受けられることは少ないです。

筆者が通院している時も、受付の方が電話で初診の方のお断りの返答をしているのもよく見かけます。
再診の通院の場合は、約10~15分程度の診察だが、初診だと30分以上の時間がかかる。
そのため、すでに予約している患者さんを回せなくなる。
といった理由が主な原因だと思います。
私もはじめての病気を発症したとき、自分で自分の身体をコントロールできない。脳から支持をだしているのに身体がその通りに動かないといった決して軽いものではなかったのですが…。
病院は何件もたらい回しでした。たくさん、回った結果、みてもらえた病院が内科の先生の病院となってしまったわけですが…。
※緊急を有するなら、地域によっては緊急医療の窓口もあるので、そちらを利用してみるのもよいかもしれません。
厚生労働省のホームページ:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/pdf/ercenter.pdf
通ってから見るクリニック・精神科医の注意行動

精神科に通いはじめたものの「本当にこの先生大丈夫?」など、不安も感じている方も多いのではないでしょうか?
筆者も多く、そういったことを経験しました。
筆者の経験から、おすすめしないクリニック・精神科医の特徴4つをまとめさせていただきました。
- 待合室の人数が少ないクリニックは話を聞いてくれない可能性あり
- 診療方針が自分に合っているか?
- 医師との相性があってないと感じる
- 依存性が高い薬を出す病院は注意が必要
- お薬の副作用の説明をきっちりしない
- 表情を見ないで診察する
ぜひ、参考にご覧ください。
待合室の人数が少ない病院は注意

待合室が少ない病院は良く見えるかもしれません。これは私の独自の意見ですが、こういった精神科病院は患者を短時間で回している、つまり患者の話に耳を傾けない医師が担当している可能性が高いと思います。
なぜなら、精神病って本当に波があって、
「先生にいっぱい辛い気持ちきてほしい」
「症状が悪くなったので、理解してほしい」
「今日はそんなにひどくないからお薬だけでいいかな」など、
症状や患者によって、診察時間って変わってくるはずなんですよね。
患者はきてるのに、なぜかきれいに待ち時間がなく回せている病院は一人ひとりの気持ちの寄り添っていない可能性が高いと思います。
私自身も、待ち時間が少ない病院に通っていたことがありましたが、先生がくれる時間はたった3ターンだけでした。
(先生)調子はどう?(私)答える
(先生)お薬変えた方がいい?(私)答える
(先生)次いつにする?(私)答える
こっちの話しなんてそもそも聞こうという気がないし、5分もかからない。前の診察の人もすぐでてくるし、ただお薬だけだしてくれる感じかな。
これによって私が感じていたのは3つの不安感。
- 自分の病気の症状をちゃんと把握してくれていない
- 病院に通っているのに、しんどい時にしんどいと言える環境でない
- 悪化した時に、症状を理解していないのに対応できるのだろうか
こんな状態で病院に通っていても、意味がないですよね。
ですので、個人的にですが、全然待ち時間がない病院はおすすめしません。
診療方針が自分に合っているか?
クリニックによって治療方針には違いがあります。
「薬中心で症状を早く落ち着かせたい」
「時間をかけて話を聞いてもらいたい」
など自分の希望と合うスタイルを選ぶことが大切です。

初診時に先生の説明を聞いて「話をきいてくれるタイプか」「薬の説明に丁寧にしてくれるか」など自分に合っているかを確認してみてくださいね。
また医師の考え方や治療方針は病院ごとに異なるため、どのような姿勢で診療を行っているかを見極めることも大切です。
よくある診療方針タイプ(チェックシート)
自分の希望に近い方針をチェックしてみてください。
□ 薬物治療中心型
症状を早く安定させることを重視。
薬の調整をこまめに行うが、診察時間は短めの傾向。
□ 対話重視型
時間をかけて話を聞きながら治療を進める。
原因を一緒に考えたい人や不安を共有したい人に向いている。
□ 生活改善・環境調整型
睡眠・食事・生活リズムなどを重視。
薬に頼りすぎず、日常生活の見直しを提案してくれる。
□ 心理療法併用型
カウンセリングや認知行動療法などを併用して治療を進める。
薬の量を減らしたい人に合う場合が多い。
□ チーム連携型(包括支援型)
医師・心理士・看護師など複数スタッフが連携して対応。
訪問看護や社会支援制度の案内なども受けやすい。
医師との相性があってないと感じる
「話しやすい」「否定されない」「安心できる」と感じられるかどうかは、私にとってとても大きなことでした。
先生との相性が合うかどうかで、通院を続ける気持ちが全く違ってきます。
どんなに評判の良い先生でも、合う・合わないはあると思います。

私もいくつかの病院を通ってきましたが、「この先生には話しづらい」と感じることがありました。
そういった経験を通して、合う先生と合わない先生の特徴が少しずつ見えてきたように思います。
同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。
相性が合うと感じた先生の特徴
- 話を最後まで聞いてくれる
- 質問しても嫌な顔をせず、丁寧に答えてくれる
- 薬の説明をわかりやすくしてくれる
- 小さな変化にも気づいて声をかけてくれる
- 「無理しなくていいよ」と言ってくれる
合わないかもと感じた先生の特徴
- 話を途中で切られてしまう
- 薬の説明がなく、気づいたら増えていた
- こちらの話を否定的に受け取られることがある
- 話すたびに緊張してしまい、気持ちが落ち着かない
- 病院を出たあと、いつもモヤモヤが残る
私が感じた相性を見極めるサイン
- 診察中に「この先生なら大丈夫かも」と思えるか
- 小さなことでも話してみようと思えるか
- 話したあとに少しでも気持ちが軽くなるか
もし「合わないかもしれない」と感じても、無理にすぐ変えなくても大丈夫です。

病院の変えるのって、勇気が必要ですもんね。
通いながら様子を見たり、信頼できる人に相談してみるのも一つの方法だと思います。
依存性が高い薬を出す
まず、誤解してほしくないのがお薬を飲むのがいけないわけではないということ。私も多数のお薬を飲んでいますし…症状緩和に助けられているのも事実です。

依存性が高い薬はやめるのがたいへんなんだよ
しかし、精神疾患の薬のなかには依存性が高く、なかなかやめられないとされている薬があります。私も病院を変わったさいに前の先生が処方して薬が依存性があるので変えた方が良いという提案を受けたことがあります。
それが下記の2つの薬です。
- ゾルピデム(マイスリー):入眠効果がある眠剤
- エチゾラム(デパス):不安や緊張を和らげる薬
ふたつの薬の特性については、精神科のクリニックのホームページに書かれている情報を引用しましたので、参考にしてください。
マイスリー(一般名:ゾルピデム)は非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。即効性があり、内服後にすぐ寝付くことができるでしょう。一方で依存性や耐性、健忘などの副作用もあり、使用には注意が必要です。
デパスは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の中でも依存性の高いお薬です。「デパスをなかなか止められない」という患者さんはとても多いです。そして依存性の高さから、デパスを乱用してしまう方もいらっしゃいます。
引用元:田町三田こころみクリニック
そして、実は私はまだ、この二つの薬をやめられてないのです。薬の効果が感じられるため、なかなか…断ち切れない…のが現状です。
私のようにならないために、最初から依存性が高い薬はできるだけさけて処方してもらうのが良いと思います。
お薬を変える時に副作用の説明がない

私の経験から、精神科の薬は副作用が多いです。
眠剤・抗うつ剤・向精神薬など薬の種類によっても違いますが、精神科でもらう薬は内科などともらう薬とは全く違い「落ち着かない」「記憶がとぶ」「眠気が強い」など、注意が必要な副作用が多くあります。
そのため、薬の副作用を知らないと下記のような危険が潜んでいます。
- 危険な副作用が出ても自身でやめることができず、危険な副作用につながる事がある
- 患者自身が医師に不信感を持ってしまうきっかけになる
- 副作用なのか病気がひどくなったのか自分で判断ができない
- 副作用の症状で仕方がないことでも自分を責めてしまう
そのため、初診のお薬を出すとき、またお薬の変更があるときに副作用の説明をきっちりしない医師には注意が必要だと個人的に感じています。

作者も先生から、ちゃんと説明をうけられず大きな副作用に悩んだことがあります。
先生の説明が不十分だと感じた場合は、処方箋の薬剤師に聞いたり、ネットやAIなどを利用して自分で調べてみるのも良いと思います。
顔を見ないで診察する
大きな病院でない限り、精神科のクリニックのほとんどは身体の状態をみたり、検査をしたりいった治療が行われるわけではありません。

カウンセリングの先生から、心理テストを受けることはあるよ
「じゃぁ?精神科の医師はどうやって診察しているの?」
下記は、りんかい月島クリニック(精神科クリニック)を引用した内容ですが、ちゃんとした精神科の医師はしっかり患者の表情を見て判断しています。
精神状態の変化は、驚くほど正確に表情に反映されます。
例えば、意欲の低下は目の輝きの減少として、不安や緊張は眉間のしわや口角の硬さとして表れます。これらの変化は、患者本人が意識的にコントロールすることが難しく、むしろ症状の客観的な指標として医療現場で重要視されています。
医師は、これらの表情の変化を観察することで、治療の効果や症状の改善度合いを評価する参考にしています。
引用元:りんかい月島クリニック
※もちろん、表情だけではないと思いますが。
私の経験上でも通常の精神科医は表情をしっかり見て、診察してくれました。

筆者は表情を見ない先生にも当たったことがあるので、注意してね
パソコンだけ眺めている医師には注意が必要だと思います。
まとめ
この記事では、精神科通院歴15年・転院4回を経験した筆者の経験をもとに、
- 精神科病院の選び方・選ぶ時の注意点
- 通い始めてからの注意点
について紹介しました。
筆者と同じのように精神の病気で苦しまれている方が、少しでも良い環境で過ごせることを祈ります。
筆者の経験をもとにした精神疾患に関する記事も、増やしていきたいと思っております。
ぜひ、また、ご覧いただければ幸いです。
