精神疾患があると、体や心が思うように動かず、家事や掃除ができない日がありますよね。
筆者も同じように、思うように動けなかった時期を長く経験してきました。
筆者は精神科への通院歴15年。
現在は統合失調症の傾向があり、否定型うつの診断を受けています。
これまでに重い鬱状態を経験したこともあり、心身が思うように動かない苦しさを身をもって知っています。
でも、そんな中でも少しずつ考え方を変え、「無理をしない掃除」を続けることで、前より自分らしく過ごせるようになりました。

このページでは、同じように掃除がつらいと感じている方に向けて、
筆が実際に試してきた方法を紹介します。
もちろん、まだ心や体の準備ができていない方は、無理に頑張らなくて大丈夫です。
今はゆっくり休んでくださいね。
- 掃除を“無理せず”始めるための心の整え方
- 精神疾患がある方も利用できる行政サービスについて
- 座ったまま・立たずにできる部屋掃除の工夫
- 体に負担をかけずにできるお風呂掃除のコツ
- こすらず清潔を保てるトイレ掃除の方法
- 「できた自分」を認めて心を軽くする考え方
掃除を始める前に「無理をしない」でいいという前提を持つ

精神疾患を抱えていると、「何もできなかった」「今日も掃除できなかった」と自分を責めてしまうことがあります。
けれど、それは悪いことでも怠けていることでもありません。
体調や気持ちの波があるのは自然なことです。
本当に無理だと思ったときは、掃除をしなくても大丈夫。
しっかり休むことも大切な時間です。
「やらなきゃ」と思う気持ちが出てきたときこそ、次のことを心に置いておくと楽になります。
掃除を始める前に心に置いておきたいこと
- 完璧にやらなきゃじゃなく、少しでもできたらえらい
- 調子が悪い日は「やらない勇気」も大事
- “心のハードルを下げることが第一歩”であることを意識する
筆者はまず、「完璧にやらなきゃ」ではなく「少しでも進めばいい」という考え方に変えてみたら、気持ちがずっと楽になりました。

全部できなくてもいいし、途中でやめても大丈夫。
“少しできた”という感覚を大事にすることで、自分を責める気持ちが減り、掃除に対するハードルも少しずつ下がっていきました。
行政サービスで家事を手助けしてもらうこともできる

掃除や洗濯、料理などが思うようにできないときは、無理をせず行政のサービスを利用してサポートを受ける方法もあります。
精神疾患を抱える方を対象にした「居宅介護(家事援助)」という制度では、ヘルパーが自宅を訪問し、日常生活を支えてくれる行政サービスがあります。
受けられる主なサービス内容
- 掃除、洗濯、調理などの日常的な家事援助
- 通院や日常生活の付き添い(身体介護)
- 生活や介護に関する相談支援
利用のめやすと対象者
- 家事援助(1時間あたり 約1,470円)
- 身体介護(1時間あたり 約3,740円)
※利用料は市区町村によって異なります。
対象となるのは、
- 精神障害者保健福祉手帳を持っている方(等級は問われません)
- または、精神障害を支給理由とする障害年金を受給している方
手帳がなくても、診断や状態によって申請できる場合もあります。
まずはお住まいの自治体の障害福祉課や福祉センターに相談してみましょう。
この情報は厚生労働省の公式サイトを参考にしています。
出典:厚生労働省「精神障害者居宅介護等事業」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2002/04/tp0404-1b.html
部屋掃除の工夫

筆者の場合、体が重くて立ち上がること自体がしんどく、掃除をする気になれない日が多くありました。
「やらなきゃ」と思っても、動くのがつらいとそれだけで疲れてしまうんですよね。

そんな時、筆者が取り入れていたのが座ったままできる掃除です。
少し汚く感じるかもしれませんが、「まったくやらない」よりも「少しだけ動く」ほうが心が軽くなりました。
座ったままできる掃除の工夫
- 小さいほうきとちりとりで、手の届く範囲だけ掃除する

筆者は鬱がひどい時、身体が重くたつことも困難だったため、
座りながら、お尻で進んで掃除をしていまいした。
- ハンドクリーナーを使う
(またはスタンドタイプの掃除機を短くして使う)
→ 家にある掃除機でも小さくして使えるものがあれば、座ったまま掃除ができます。
- コロコロで床や布団を軽く掃除する
コロコロは少しコスパがかかりますが、掃いて塵取りにいれゴミ箱に入れる手間が省けるため、座って楽に掃除するのに適しています。
- テーブルなどはウェットティッシュを置いておく
→ もったいなく感じるかもしれませんが、「気づいた時にサッと拭ける環境」を作っておくと楽になります。
少しでも部屋がきれいになれば、気分も少し軽くなりますし、「できた」という感覚がまた自信へとつながります。
最初から周りの人と同じように掃除しなきゃと考えてしまうと、余計にやる気を失ってしまい、スタートすること自体がしんどくなってしまいます。
完璧を目指さず、少しでもできたら、それだけで十分えらいことです。
どうか、自分を責めずに、「できた自分」をやさしく褒めてあげてくださいね。
筆者も今でもつらいときは、この方法で掃除をしていますが、「完璧にやらなきゃ」と思うより気持ちが楽にできるのでおすすめです。
お風呂掃除の工夫

知っている方も多いと思いますが、今はスプレーをして流すだけで掃除ができる洗剤が多く販売されています。

最初は「本当にきれいになるのかな?」と半信半疑でしたが、思っていたよりしっかり汚れが落ちて驚きました。
心にも体にも負担が少なく、作業も気持ちも楽なので、今では筆者もよく使っています。
スプレータイプの洗剤での掃除手順
こういったお風呂用のスプレー洗剤は、ネットショップやドラッグストア、ホームセンターなどでも手軽に購入できます。

洗わずにぬめりのあるお風呂に入るより、ずっと清潔に保てるので、筆者的にはとても助かっています。
トイレ掃除の工夫

トイレ掃除もお風呂掃除と同じように、こすらなくてもスプレーをかけるだけで汚れを落としてくれる洗剤が販売されています。
便器の中だけでなく、トイレの床や壁の下部分などにも使えて便利です。

筆者も体調がすぐれない日は、この方法をよく取り入れています。
数分待ってトイレットペーパーで拭き取るだけでも、清潔に保つことができます。
使い方手順
便器の中の場合はそのまま、水を流す。
これだけで、力を入れてこすらなくても汚れが落ちます。
洗剤によっては除菌や消臭効果もあるので、清潔さを保ちやすいのも嬉しいポイントです。

筆者はトイレ掃除も「一気にきれいにしなきゃ」と思う派でしたが、今は気になるところだけ掃除するようにしています。
それによって、始める時の気持ちの一歩が少し楽になりました。
こういったトイレ用のスプレー洗剤も、ネットショップやドラッグストア、ホームセンターなどで手軽に購入できます。
筆者的には、体調が悪くても少し動ける日に取り入れやすい掃除法としておすすめです。
まとめ
掃除ができない日があっても、それは怠けではなく「体や心の調整期間」です。
無理に頑張るよりも、できる時に、できる分だけ。
ほんの少しでも手を動かせたら、それだけで十分立派です。
行政の支援を受けることも、便利な道具を使うことも、「自分を助ける工夫」です。
完璧を求めると自分の心の負担になってしますます。
あなたのペースで、無理のない掃除を。
それが少しずつ、自分を大切にする時間につながっていくはずと筆者は信じています。
また、精神疾患の生活の工夫について紹介した記事を書かせていただきますので、そちらもご覧いただければ幸いです。






