2024年8月30日(金)放送。案内人を松下奈緒さんが務めるテレビ東京系のテレビ番組「ガイアの夜明け」で最近、高騰している「金」が取り上げられます。
この放送で日本の海でも金が採掘できるかもしれない、まさに黄金の国ジパングの再来かといった驚きの内容が紹介されます。実際、日本で金がとれるのか気になる方も多いと思います。
この記事では、日本が「黄金のジパング」と言われていた時期がどういったものだったのか、そして日本の海で金を採掘することが可能なのかについて詳しく紹介します。ぜひ、ご覧ください。
黄金のジパングとは
「黄金の国ジパング」という言葉は、13世紀末にイタリアの探検家マルコ・ポーロが著した『東方見聞録』によって広く知られるようになりました。彼は、日本を「ジパング」と呼び、その国が多くの金を産出する豊かな土地であると記述しました。この記述が、日本を「黄金の国」として世界に知らしめたのです。
当時の日本は、8世紀から16世紀にかけて、多くの金鉱山を抱えており、実際に多量の金を産出していました。平泉の中尊寺金色堂や、大阪城の金の鯱鉾(しゃちほこ)、江戸時代の金貨など、これらは当時の日本が金の豊かな国であったことを象徴するものです。
しかし、時が経つにつれて、金鉱山の採掘量は次第に減少し、現代ではかつてほど多くの金が採掘されなくなっています。それでも、現在もなお日本国内で金の採掘は続けられています。特に鹿児島県の菱刈鉱山は、その一例です。1985年に操業が開始されたこの鉱山は、現在でも金の採掘を行っており、日本における重要な金鉱山として知られています。
このように、日本はかつての「黄金の国ジパング」の伝説に支えられながら、今なお金の採掘を続けています。過去と現在が交錯する中で、日本の金鉱業は新たな局面を迎えているのです。
日本の海で金が採掘できるって本当⁉
実は、日本の海にも金を採掘できる可能性が秘められています。そのカギとなるのが「海底熱水鉱床」と呼ばれる場所です。これは、海底から噴き出す熱水が金やレアメタルを含んでおり、その成分が海水で冷やされて沈殿し、鉱床を形成したものです。
こうした鉱床は、金を含む貴重な資源の宝庫となり得る場所として注目されています。
2015年、東京大学生産技術研究所の研究グループが伊豆諸島青ヶ島沖の海底熱水鉱床を発見しました。さらに、2016年にはこの鉱床の鉱石に高濃度の金が含まれていることが確認され、大きな話題となりました。
この発見を受け、国立研究開発法人海洋研究開発機構と株式会社IHIの研究グループが、新たな技術開発に着手しました。彼らは、藻の一種である「ラン藻」をシート状に加工した吸着材を開発し、このシートを用いて熱水中に含まれる金を効率よく回収する実験を2021年から開始しました。
2023年6月、このシートを海底から引き上げた結果、1トンあたり20グラム相当の金が吸着されていたことが確認されました。この数値は、通常の金鉱石から得られる金の量と比べても非常に高い水準であり、この回収方法は世界でも類を見ない成果です。
しかし、海底から金を採取するためには、海底熱水鉱床まで船を出し、数百メートルもの深さにあるシートを回収する必要があり、その費用は非常に高額です。
]このため、現時点では実用化にはまだ課題が残っています。現在、研究者たちは、陸地にある温泉などでも同様の技術を応用して金を採取できないか検討を進めています。
まとめ
この記事では、「ガイアの夜明け」で取り上げられた日本の海で金を採掘する可能性について詳しく紹介しました。以下に、記事の内容を簡潔にまとめます。
- 黄金の国ジパングとは
- 13世紀末にマルコ・ポーロが著した『東方見聞録』で、日本が「黄金の国ジパング」として世界に知られるようになった。
- 8世紀から16世紀にかけて、日本国内には多くの金鉱山が存在し、大量の金が産出されていた。
- 現在でも鹿児島県の菱刈鉱山などで金の採掘が行われており、日本の金鉱業は続いている。
- 日本の海で金が採掘できる可能性
- 海底熱水鉱床と呼ばれる場所では、海底から噴き出す熱水に含まれる金属成分が冷却され、鉱床が形成されている。
- 2015年に東京大学生産技術研究所が伊豆諸島青ヶ島沖で海底熱水鉱床を発見し、2016年には高濃度の金が含まれていることが確認された。
- 国立研究開発法人海洋研究開発機構と株式会社IHIが「ラン藻」を利用した吸着材を開発し、2023年には海底から金を回収する実験に成功。
- この回収方法は画期的であるものの、現時点ではコストが非常に高く、大規模な実用化には課題が残っている。
- 今後の展望
- 日本の海底に眠る金の採掘が進むことで、かつての「黄金の国ジパング」の再来が期待されている。
- 技術の進展や新たな採掘方法の開発によって、将来的には金の産出が現実のものとなる可能性がある。
日本が再び「黄金の国」として世界に知られる日が来るのか、その可能性と課題を追い続けることが重要です。この記事を通じて、日本の金鉱業の過去と未来について理解を深めていただければ幸いです。